「か゜」!?
例えば、次の文章は、皆さんはどう読みますか?
「ここが、わたしの学校です」
この文章の、「ここが」と「学校」。両方とも、「が」が入っています。
しかし、平仮名で書けば同じ「が」ですが、この2つの「が」は、実は読みが違うのです。
「学校」は普通に「ガッコウ」と読んでいいのですが、「ここが」は、「ココガ」ではなく、「ココカ゜」と読むのです。
「カ」の右上についているのは、「ぱぴぷぺぽ」についている「゜(半濁点)」。
普通、「か」に半濁点はつけませんし、一般には正しい表記ではありません。
しかし、「『か゜』を認めるべきだ」と主張する人も、中にはいるのです。
そもそも、「学校」と「ここが」は何が違うのでしょうか。
「ガッコウ」の「が」は、文節の最初に来ています。この場合は、普通に「ガ」と読んでいいのです。
文節とは、なんとなく、自然に文章を区切れる場所で文章を区切った場合に得られる節の事。
「本を読む」なら、「本を」「読む」の二文節に分けられます。
しかし、「ここが」の「が」は、文節の最初には来ていません。
このような場合は、「ガ」ではなく、「カ゜」と発音するのです。
では、この「カ゜」はどのように発音するかと言うと、早い話が鼻濁音。
鼻濁音とは、マ行やナ行のように、鼻にかかる声の事で、「カ゜行」の音の事を、特に「ガ行鼻濁音(ガ行鼻音)」と呼びます。
つまり、「カ゜」以外にも、「キ゜」「ク゜」「ケ゜」「コ゜」が存在する訳です。
発音としては、「ンガ」に近い発音になります(英語の発音記号で書くと、「」です)。
「か゜」と言う表記も、一般には使用しませんが、専門分野では、鼻濁音を強調するために、この表記を用いる事もあります。
ただし、文節の頭以外は全て「か゜」かと言うとそうでもなく、「五」はどこに来ても「ゴ」と発音しますし、
また、「日本銀行」などの複合語(2つの単語が合わさって、1つの単語になったもの)の場合も、
その単語の複合度が強い場合は「か゜」ですが、弱い場合は「が」になります(「日本銀行」は「ギ」)。
ここら辺は微妙なニュアンスの違いになってしまいますが、そう言う風になっています。
この「か゜行」、元々は東京語(東京の方言。言ってみれば、東京弁)で、東京や、それより北の地域で使われていました。
東京語は、後に日本の標準語(共通語)の基盤になる言葉で、そのため、NHKのアナウンサーの訓練では、「が」と「か゜」を区別しているそうです。
つまり、「わたしは」を「ワタシワ」と自然に読むように、「わたしが」も「ワタシカ゜」と自然に読めるようにしているのです。
しかし、最近の若い世代の人々は、この「か゜行」を用いる人が少なく、「か゜行」は現在、日本語から失われる傾向にあるようです。
「か゜」を使うべき、と主張する人々が言う、その理由は、「その方が美しく聞こえるから」と言うだけ。
美しいかどうかは個人で感じ方が違うのでなんとも言えませんが、たまにはか゜行を意識してみるのも、乙な物かも知れません(?)。
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