「はくし」と「はかせ」は何か違うのか?
「博士」と「博士」。
全く同じ漢字なのに、読みは「はくし」と「はかせ」の二通りがあります(ルビを振っている方には、どう表示されているかは不明です)。
この2つ。わざわざ読み方を分けている以上、言葉の意味も、キチンと二通り存在します。
まずは「はかせ」の方。題名では「はくし」を先にしていますが、歴史的に古いのはこっち。
645年の大化の改新にて誕生した、学生を教育する職業として、「国博士」が置かれました。
当時は、「大学寮」「典薬寮」「陰陽寮」と言うところに、色々な博士が置かれていました。
「大学寮」には音、書、算、明経(みょうぎょう/論語の事)、紀伝(きでん/伝記のようなもの)、明法(みょうぼう/法律)、
「典薬寮」には医、針(針治療の「針」)、呪禁(じゅごん/まじないなどで災いなどを追い払う事)、
「陰陽寮」には天文、陰陽(おんみょう/中国古来の思想)、暦、漏刻(ろうこく/時間)などの各博士が置かれていました。
そして、彼らはそれぞれの専門分野を、人々に教えたのです。
ただ、現在の言葉としては、「はかせ」は単純に学問に詳しい人や、その道の知識に詳しい人のことも指します。
一方、「はくし」はと言うと、こちらは、明治20年(1887年)に定められた学位の1つ(いわゆる「博士号」です)。
大学院の博士課程を卒業して、自分の書いた論文が審査に通り、かつ試験に合格した人に与えられる学位です。
または、博士課程を卒業せずとも、相当の功績(例えば、素晴らしい論文を書いた、など)を残した人にも、「はくし」の学位が与えられます。
前者を「過程博士」、後者を「論文博士」と言います。
博士号は、出来た当時は法、医、薬、工、経済、政治など14種類があったようですが、現在は19種類に増えているそうです。
増えているらしいのですが、いくら調べても何があるのかわかりません(どなたか知っていたら、教えてください)。
このように、「はくし」「はかせ」は微妙な違いがあるのです。
しかし、紛らわしいのは、「はくし」の方は、「はかせ」と言っても間違いではないと言う事。
「はかせ」は「その道に詳しい人」の事も指すので、「はくし」も「はかせ」と言えるのです。
なんて色々書くと余計ややこしくなってしまいますが、簡潔に述べますと、
「『はかせ』とは『物事に詳しい人』の事で、『はくし』とは『博士号を持っている人』の事」
と言うことになります。
ですので、雑学に詳しくなれば「雑学はかせ」にはなれますが、どんなに頑張っても「雑学はくし号」が出ない限り、「雑学はくし」にはなれないのです。
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