多数意見に反対できない理由は?
学校や会社の中で、周りの者が賛成しているから、あまり乗り気ではなかったのについつい賛成してしまった、とか、
初めは反対意見だったのに、周りの賛成意見を聞いているうちに賛成意見の方が正しいような気がしてきた、とかと言う経験は、誰にでもあるはずです。
このような、周りの雰囲気に自分を合わせ、思わず同じ事をしてしまう行為を、「同調行動」と呼んでいます。
この同調行動の実験として有名なものに、アメリカの社会心理学者ソロモン・アッシュの「三本の直線」と言うものがあります。
どういう実験かと言うと、被験者には「長さの知覚の研究」と説明して、一本の直線をグループ全員に見せます。
そのあと、長さの違う3本の直線の中から、初めに見せた同じ長さのものを選ばせます。
しかしこの実験には裏があります。
「長さの知覚の研究」と言うのは大ウソで、グループのうち、本当の被験者は1人だけ。他は全員サクラなのです。
そして、サクラ全員に最初に見せたのとは全く違う長さの直線を選ばせます。
つまり、わざと間違った回答をさせるわけです。
もちろん、本当の目の錯覚を調べる実験とは違って、普通なら1%以下の誤反応にとどまるような問題です。
しかし、サクラが次々に間違った答えをした後、本当の被験者に答えを聞くと、なんと75%がサクラと同じ答えをしたのです。
他のサクラの回答は間違ってると思いながらも、ついついつられてしまったわけです。
25%の被験者はサクラに同調しませんでしたが、それでも他の全員と自分の答えが違うことには不安と緊張を示し、
「目がかすんで困る」
などと独り言を言ったり、答える前に
「みんなの方が正しいのかもしれないが、自分の見た通りに言わなければならないので」
などと言い訳をする者もいたそうです。
これは、人間がいともたやすく自分の信じている事を信じなくなり、周りの雰囲気、意見などに流されてしまうことの証明になるわけです。
間違いかどうかハッキリわかるような事柄でさえ、同調行動がおこるわけですから、正解のない問題について、一人だけ周囲と意見が食い違った場合などは、もっと周囲に流されやすくなることは言うまでもありません。
ちなみに、ファッションの流行なども、この同調行動の一種とされています。
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