仲の良し悪しはここで決まる!
どんな人にも、仲の良い人と悪い人とがいます。
この区別は、どのような理由で出来てくるのでしょうか?
アメリカの心理学者フェスティンガーたちは、大学の学生寮を使ってこの問題についての調査を行いました。
被験者は、新たに入寮する男子学生17人。全員、お互いに初対面です。
この時、入寮前に、あらかじめ全員に政治や宗教についての態度調査も行われました。
そして、入寮してから6ヶ月間にわたる調査の結果、次の2つのようなことがわかりました。
1;初めは、互いに自分の部屋に近い人同士が仲良くなる傾向が見られる。
2;そして次第に、考え方や生活態度の似ている者同士がグループを作り上げていく。
つまり、距離が近く、互いに接する機会が多ければ多いほど、早く仲良くなれますが、
もう1つの要素として、「似た者同士」であることが親密な友人関係にとって、非常に重要だ、と言うわけです。
ちなみに、この「1」を「近接の要因」、「2」を「類似性の要因」と言います。
実際、「友人同士は性格も似ている」と言うことを示す実験結果も報告されています。
ただし、似ているといっても決して同じ、と言うことはありえません。
このような友人間では、むしろ互いに自分達を実際以上に「似ている」と思い込んでいるのでは、と考えられます。
特に、自分が「こうありたい」「こうであって欲しい」と思っている性格特性(性格の特徴)に関しては、よりこの傾向が強いことがわかっています。
自分にとって理想的な「友だち像」を、実際の友だちに勝手に投影している、と言うわけです。
例えば、「自分は優しい性格だ」と思っていると、友だちが実際にはそうでなくても、「アイツも優しい」などと勝手に思い込んでしまうのです。
もちろん、これは当の本人にとって、場合によっては迷惑な買いかぶりだったりする場合もあるのですが、初めから似ても似つかないタイプの人に対しては、こうした心理作用は働きません。
思い込みだろうとなんだろうと、「似ている」と言うことが、友人関係を築きあげる際に、かなり重要な点であることには、間違いありません。
また、こうしたことは友人間のみならず、男女の間でも起こることがわかっています。
つまり、「近くに住んでいる人や、職場が同じと言う人間同士は恋人になりやすい」と言う近接の要因や、「似たもの同士はカップルになりやすい」と言う類似性の要因がある、と言うことです。
近接の要因については、アメリカのボッサードと言う人が詳しい研究を行い、
「お互いに住んでいる場所が近ければ近いほど2人が結婚する可能性は高くなり、離れていれば離れているほどその可能性は急激に薄れる」
と言う結論を出しています(これを、「ボッサードの法則」と言います)。
家の離れた婚約者同士は破綻しやすい、と言うデータもあるようです。
また、類似性の要因も、アメリカでの実験によると、
「スポーツへの興味などの趣味や体格、性格などに差がありすぎるカップルはうまくいかず、共通点の多いカップルほど結婚している」
と言う結果が得られています。
が、完全に似ているからといって、上手くいくとは限りません。
これもアメリカの心理学者、ウィンチと言う人の調査ですが、彼は25組の夫婦を対象に、面接調査を行いました。
それによると、夫婦関係が上手く行っているカップルは、
1;支配的な夫と、服従的な妻(またはその逆)
2;援助好きな夫と、援助を求めたがる妻(またはその逆)
などの関係に当たる場合が多かったと言います。
この研究結果から、彼は「相補仮説」と唱えています。
これは、いま挙げたような「支配的な人と服従的な人」「甘えん坊と世話好き」「リーダー格と下っ端格」などと言うように、互いに補い合う性格の組み合わせほど上手くいく、と言う説です。
言い換えれば、「支配的な人同士」「甘えん坊同士」など、同じ性格の持ち主同士は、逆にうまくいかない、と言うことです。
離婚したカップルのその離婚理由は、「性格の不一致」が最も多いらしいですが、実のところ、むしろ「性格の一致しすぎ」と言うカップルの方が、多いのかも知れません。
結論を述べると、
「互いに近くにいて、性格が似ている者ほど仲良くなり、それは男女間でも当てはまる。ただし、あまりに似すぎていると、結婚後長続きしない」
と言う事になりそうです。
戻る