遺産の行方!
民法は、全5編に分かれています。
そして最後の第5編「相続」。ここには、第882条から第1044条まで、162条に渡って長々と遺産について書かれています。
当然、弁護士でも無ければ、これを全部完璧にわかりやすく説明する事はかなり難しい事なので、ここでは雑学的な事だけを紹介しましょう。
さて、遺産を受け継ぐ事が出来る人の事を、「相続人」と言います。
ではこの「相続人」。一体、「誰」が、なれるのでしょうか?
とりあえず、Aさんが亡くなった、としましょう。
まず、Aさんの子どもと妻(夫)は、基本的に相続人になれます。
では、Aさんの子どもが、既に死亡していた場合は?
この場合は、Aさんの孫が相続人となります。
ここまでサラリと書いたようで、ここから行き成りややこしくなります。
実は、Aさんの孫でも、相続人になれない人もいます。
それは、「直系卑属ではない者」。
だれが「直系卑属ではない者」なのかと言いますと、それは、まだ養子縁組をしていない、養子。
この子は、残念ですが、相続人になることは出来ません。
そして、甥っ子や姪っ子も、相続人になることは、基本的に出来ません。
ではもし、Aさんの妻(あるいはAさん自身)が妊娠していた場合、その胎児は相続人になれるのでしょうか?
この場合は、「なれる」とされています。つまり、胎児は遺産を相続できるのです。
他にも、Aさんの子どもが妊娠している場合、その胎児も、相続人になる事が出来るのです。
また、Aさんの実の子ではなくとも、「実の子だ」と言う法的な手続きを済ました子(認知した子、と言う)も、相続人になる事が出来ます。
基本的に、ここまでの「子、妻(夫)、孫(子がいない場合)、胎児、認知した子」は、相続人になる事が出来ます。
では、もしこれらの人が全員いなかった場合は?
この場合は、まず、Aさんの父母や祖父母が相続人として最優先されます。
そして次に優先されるのが、Aさんの兄弟姉妹です。
ところで、さっきから「基本的に」と何度か言っていますが、これはなんでしょう。
実は、ここまでで出てきた人でも、場合によっては相続人になれないのです。
まず、Aさんや、相続人を殺し(殺そうとし)、刑に処された人。
Aさんが殺害されたのを知っていたのに、黙っていた人(ただし、その人が「殺人」について理解していなかったり、犯人がその人の妻(夫)だったり、祖父母、父母、子、孫だったりした場合は、除く)。
Aさんを脅迫したり騙したりして、Aさんに自分の思うような遺言書を書かせた人。
Aさんを脅迫したり騙したりして、Aさんが書いた遺言書を、Aさんが変更できないようにした人。
Aさんの遺言書を偽造したり、書き変えたり、隠した人。
の5つのパターンに当てはまる人は、相続人になることは出来ません。
また、相続人となる事を拒否する事も出来ます。
これは、遺産が全て借金だった場合などを想定して作られた法律です。
ちなみに、あらゆる偶然が重なって、相続人が1人もいなくなってしまった場合。
この場合は、家庭裁判所がすぐにこの遺産の「管理人」を選び、その人に財産を預けます。
この管理人は、まず、2ヶ月間その財産を管理します。
この2ヶ月の間に、相続人が現れた場合は、色々な法的手続きの後、その人に遺産を相続させますが、もし2ヶ月間誰も現れなかった場合。
この場合は、今度、家庭裁判所が「相続人は早く名乗り出てください」と告知します。これが、今度6ヶ月間続きます。
そして6ヶ月経っても現れなかった場合。ここで、Aさんの相続人の持つ全ての権利は、完全に消滅します。
そして、ここに来て、初めて、お金が人に渡ります。
この時お金を受け取れる人間は、Aさんと一緒に暮らしていた人、Aさんを看護していた人、Aさんと特別の縁があった人、などです。
これらの人々は、家庭裁判所に申し出れば、Aさんの遺産の全部、または一部をもらう事ができます。
そして、これは、「早く名乗り出てください」の告知が終わってから、3ヶ月以内に済ませなければなりません。
もし、これでも遺産を相続してくれる人が誰もいなかった場合(あるいは、遺産が少しでも残った場合)。
この場合は、最終的にAさんの遺産は、国のお金となります。
こうしてAさんの遺した財産は、全て綺麗に無くなるのです。
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