賭け試合で負けたのになにも払わない、有罪無罪?
お金を賭けて、2人で試合…。
しかし、自分が勝ったのに、相手は何も支払わなかった。
「契約違反だ! これは犯罪だ!」
と、思いきや、実は犯罪にはならないのです。
実を言うと、賭け事は、刑法第185条「賭博」にて、禁止されている行為なのです。
刑法第185条には、「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。(後略)」とあります。
ですので、賭け事でお金を手に入れると言う事は、犯罪によってお金を手に入れる事になります。
そのため、民法上の規定により、お金を払う側は、それを拒否する事が出来るのです。
そして、刑法第19条第1項第3号には、
「犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物」は没収する事が出来る、とあります。
噛み砕けば、「犯罪で手に入れたものは、即没収」と言う事。
つまり、仮に賭け事でお金を手に入れても、それがばれると、50万円以下の罰金を支払わされる上、得たお金を全額没収されてしまうのです。
ただし、賭博全てが禁止されている訳ではありません。
先ほどの刑法第185条の「(後略)」部分。ここには、
「ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」とあります。
過去の判例によりますと、この「一時の娯楽に供する物」とは、それを得た人が、その場ですぐ使い終わるような物の事と考えられています。
例えば、パーティー会場で、食べ物などを賭けて賭け事をした場合、その食べ物を勝った人がその場で食べてしまえば、罪にはなりません。
ただし、大正13年2月9日の裁判で、お金はこの「一時の娯楽に供する物」ではない、と判決が下りました。
つまり、「お金の賭博」は犯罪であり、「お金以外の賭博」も、その場で使い終えられない物なら犯罪であり、その場で使い終えられる物なら犯罪ではないわけです。
なお、競馬場などは思いっきり賭け事をしていますが、あれは、法律で認められている物なので、罪にはならないのです。
ちなみに、この法律で言う「賭博」。
実は裏があり、「賭けを持ち出した人が絶対に勝つ仕組みになっている」と、それは「賭博」にはならないのです。
ただしこの場合、やり口によっては、詐欺罪が適用される可能性がありますので、ご注意下さい。
それと、賭け試合で負け、お金を支払ったあとにこの事を知り、「あの金返せ!」と言っても、返してもらえません。
民法第708条にて、
「不法ノ原因ノ為メ給付ヲ為シタル者ハ其給付シタルモノノ返還ヲ請求スルコトヲ得ス(後略)」
つまり、「不法行為のために使ったお金は、返してもらえない」と定められているからです。
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