刑罰の種類
現在の日本では、刑法に触れた人には、刑罰が下される事になっていますが、刑罰は全部でいくつあるのでしょうか。
現在の日本には「死刑」「懲役」「禁錮」「罰金」「拘留」「科料」「没収」の7つの刑があります(刑法第9条)。
順番に見ていきましょう。
刑法第11条「死刑(しけい)」。言うまでも無く、「死んで罪を償ってもらう」と言う刑です(このような刑を、「生命刑」と言います)。
ちなみに第11条第1項には「死刑は、監獄内において、絞首して執行する。」と書いてあります。
次は、刑法第12条「懲役(ちょうえき)」。
懲役とは、早い話が刑務所にぶち込む刑。こうした刑を、罪人の自由を奪うので、「自由刑」と言います。
懲役には、「無期」と「有期」があります。
無期とは、「期間を決めずに刑務所に入れる」と言う意味です。
よく、この「無期懲役」を、「一生刑務所から出て来れない刑」と考えている人がいますが、それは間違い。
無期懲役は期間を決めないだけで、出られないわけではありません。
裁判所の方が、「もう刑務所から出しても大丈夫だろう」と判断したら、外に出る事ができます(詳しい判定基準はわかりません。どなたか知っていたら、教えてください)。
そして「有期」は、無期の逆。つまり、期間が決まっている懲役刑。
この期間は、1か月以上20年以下とあらかじめ決まっています(第12条第1項)。
ただし、死刑、無期懲役、無期禁錮のどれかの判決を下された後、有期懲役に減じられた場合は、最高期間が30年になります(第14条第1項)。
逆に、刑を重くする場合も、30年まで引き上げる事が出来ます(第14条第2項)。
次は刑法第13条「禁錮(きんこ)」。こちらも「自由刑」の1つ。
懲役とほぼ同じで、無期と有期があり、その期間、刑務所に入れられる刑です。
期間もあらかじめ1か月以上20年以下と決まっています。
では懲役と禁錮は何が違うのでしょうか。
懲役とは、「監獄に拘置して所定の作業を行わせる(第12条第2項)」、つまり、刑務所の中で働いてもらう刑です。
それに対し禁錮とは、「監獄に拘置する(第13項第2項)」、つまり、刑務所にいるだけで働かない刑(働く事を強制されない刑)です。
働く方と働かない方。どちらがつらいかは人によって違うかもしれませんが、刑法第10条には、どちらがつらいか明記されています。
それによると、基本的に重いのは懲役の方。
ただし、無期禁錮と有期懲役では、無期禁錮の方が重くなります。
また、犯罪はそれぞれ「刑の最高期間」が決められていますが、禁錮の最高期間が、懲役のそれの2倍以上の時は、禁錮の方が重くなります。
次は刑法第15条「罰金(ばっきん)」。言うまでも無く、お金を払う刑罰です。
このように、お金を払う刑罰の事を、「財産刑」と言います。
財産刑は罰金以外にもう1つ、刑法第17条「科料(かりょう/トガリョウとも言う)」があります。
両者がどう違うかと言うと、罰金は1万円以上の財産刑で、科料は千円以上1万円未満の財産刑です。
罰金は、場合によって刑が減じられ、1万円以下の「罰金」になる事もあります。
ちなみに、罰金や科料を支払うだけのお金が無い場合。
この場合は、罰金ならば1日以上2年以下、科料なら1日以上30日以下、強制労働をさせられます(第18条第1項・第2項)。
罰金・科料の一部だけを支払った場合は、その分を差し引いた日数、途中で支払った場合は、残りの日数を、その金額分減らします(同条第6項・7項)。
1日分に満たないお金は、支払う事ができません(同条第8項)。
そして次が第16条「拘留(こうりゅう)」。これは「自由刑」の1つです。
拘留が、懲役や禁錮と決定的に違うのは、入れられる場所と期間。
懲役と禁錮は刑務所に入れられますが、拘留は拘置所に入れられます。
そして、その期間も1日以上30日未満と非常に短いものになっています。
最後の第19条「没収(ぼっしゅう)」ですが、これは「付加刑」と言って、没収だけを受ける事はありません。
没収とは、
「犯罪に利用したか、利用しようとした物(同条第1項第2号)」
「犯罪によって手に入れた物や、その報酬として得た物(同条同項第3号)」
などを、強制的に取り上げ、国の物にする事です。
ただし、これは、犯人が持っているものに限り行う事ができます。
つまり、犯人以外の人間が持っていた場合は、没収できません。
しかし、犯人以外の人が持っていても、その人が、それが犯罪に関連していると知っていて手に入れたものである場合は、没収できると定められています(同条第2項)。
また、没収しようとした物全部を没収する事が出来ない時は、それに見合う分のお金を、犯人から没収する事が出来ます(これを「追徴」と言います。第19条の2)。
なお、これらの刑罰を重い順に並べると、基本的に、
死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料、(没収)
の順番になります(最初に書き並べた順番です)。
ただし、これらの刑は全て「刑法上の」刑。他の法律には、他の刑が待ち構えています。
なお、今回は、わかりやすいように、その他の雑学の本に「刑罰一覧」を載せました。併せてご利用下さい。
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