警察の職務質問に答えないと、どうなるのか?
警察官は、不審な人物を見つけた時や、犯罪を行った(或いはこれから行おうとしている)らしき人物を見つけた時、「職務質問」をすることができます。
これは、犯罪に関わっている可能性のある人に質問をして、もしも犯罪を行っていれば、その場で逮捕してしまう、と言うようなものです。
例えば、盗難届けの出ている車に乗っている人や、人のカバンから財布をすり取った人などに、職務質問をすることができます。
また、何もしていなくても「挙動不審」と言うだけで職務質問をされてしまう場合があります。
さて、ではもしも警察官から職務質問をされて、それに全く答えなかった場合、どうなってしまうのでしょうか?
結論から言うと、どうにもなりません。
一見、交番や派出所などに連れて行かれてしまいそうですが、実は我々一般人には、職務質問に答える義務はありません。
また、「任意同行」と言って、逮捕とまでは行かなくとも、詳しく調べたいので交番、或いは派出所へ来てくれ、と言われることもあります。
しかし、「任意」と言うぐらいですから、これも我々一般人には、警察に従う義務は無く、わざわざ交番まで一緒に行く必要はないのです。
何故かと言うと、これは憲法に定められた「身体の自由」と言うものがあるため。
逮捕状も無しに、無理矢理交番に連れて行かれると、それは憲法第33条に違反する行為とみなされ、警察官の責任が問われてくるからです。
ただし、気をつけなければいけないのは、こちらが職務質問を無視したり、「交番に行かない」といくら言っても警察官が聞かず、何度も質問したり、同行を求めた場合。
この場合、カッとなって警察官を殴ったりすると、刑法第95条第2項「公務執行妨害罪」が適用され、3年以下の懲役、または3年以下の禁錮(きんこ)に処せられる可能性があります。
禁錮とは、刑の期間、牢屋から一歩も外に出してもらえない刑。懲役の場合は、刑務所内で働けますが、禁錮はそれすら無い刑です。
答えたくないことを何度も質問されたり、行きたくも無いのに同行を求められても、絶対に殴らず、ひたすら拒否し続けてください。
少なくとも、拒否するだけならば法に触れることはありません。
ちなみに、これには例外もあって、例えば犯行の現場を警察官に目撃された場合。
この場合は刑事訴訟法第213条「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と言うものが適応され、強制的に交番などに連れて行かれることになります(「現行犯逮捕」と言います)。
また、刑事訴訟法第210条には、
「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。(後略)」
と言う条文もあります。噛み砕くと「明らかに重い犯罪をしている人間を見つけ、今すぐ逮捕しなきゃいけないような場合は、逮捕状なしでも逮捕して構わない」と言う意味です(こちらは「緊急逮捕」と言います)。
この2つの条文に引っかからない場合は、逮捕状なしで逮捕される事は絶対にありませんし、職務質問に応じる必要もありません。
ただ、何もしていないのなら、素直に職務質問に応じた方が良いでしょう。素直に応じれば、すぐに解放してくれるはずです。
なお、もし、職務質問を無視して警官を怒らせ、警官が殴ってきた場合。
この時は、刑法第95条第1項「職務強要罪」になりますので、すぐに裁判所に訴えかけましょう。
職務強要罪も、公務執行妨害も、全く同じ、3年以下の懲役、または3年以下の禁錮に処されます。
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