SFのような条約がある!
科学技術が進歩し、日進月歩でSFのような世界が現実の物へと変わり続けている昨今…。
実は法律(条約)にも、SFのような物が存在するのです。
その名も、「宇宙条約」。
正式名称は「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」です。
この条約の成立は意外に早く、1966年12月19日に、国際連合総会第21会期で採択され、67年10月10日に発効されました。
日本で発効されたのは、その次の日。10月11日です。
条約とは、簡単に言うと「地球の法律」なので、その国の政府が認めれば、条約はその国の法律よりも強い効力を持ちます。
つまり日本では、この法律を守らなければならないのです。
この条約には、第17条までありますが、主な内容は次の4つ。
1;宇宙空間の探査・利用の自由
宇宙条約第1条【基本原則】にて明言されている物で、月や火星などの星や宇宙空間の探査・利用は、全人類が自由に行ってよい、と言うもの。
ただ、「すべての国の利益のため」や「国際法に従つて」などの制限が、若干あります。
2;領有の禁止
第2条【領有の禁止】で謳われている事。
第2条には、「月その他の天体を含む宇宙空間は、主権の主張、使用若しくは占拠又はその他のいかなる手段によつても国家による取得の対象とはならない。」とあります。
噛み砕くと、「どこの国も、宇宙に自分の土地を持っちゃいけない」と言う事です。
3;平和利用の原則
第4条【軍事的利用の禁止】に書かれている事。
宇宙空間に、核兵器を始めとした、あらゆる大量破壊兵器を持って行ってはいけない、と言う原則です。
また、軍基地や軍事施設、防衛基地なども造ってはいけない事になっています。
ただし、平和利用に軍隊を動員させることは、禁止しておらず、科学調査のための基地を造る事も、禁止していません。
4;国家への責任集中原則
第6条【国家の責任】と、第7条【国の賠償責任】にて規定されている事。
もし、将来、民間企業などが宇宙進出を始めた時、その責任は国が負わなければならない、と言う原則です。
宇宙条約には、これ以外にも、
宇宙飛行士を人類の使節とみなし、宇宙飛行士を全面的に援助する、第5条【宇宙飛行士に対する援助】や、
「どのような調査を行うか?」「どこで行うか?」「結果、何が得られたか?」を国連と国際科学界に連絡する義務を定めた、第11条【宇宙活動の情報提供】などがあります。
ただ、この条約にはいくつか問題点があり、「軍事的利用の禁止」には、
「大量破壊兵器」を宇宙に持っていくことは禁止されていますが、大量じゃない、ただの「破壊兵器」については禁止していません。
そのため、「大陸間弾道ミサイル」や「部分軌道爆撃システム」などが、この条約に引っかかるのかどうか、議論が分かれています。
また、地球上の領域(国が所有する土地)として、領地、領海、そして領空の3つがあります。
この「領空」の範囲は、昔は「空高く、宇宙の果てまで」でしたが、この宇宙条約が作られたため、話が変わってきました。
第2条【領有の禁止】によって、宇宙の領有が禁止されてしまったからです。
そのため、「地球の上空」と「宇宙空間」との間に境界線を引く必要が出てきたのですが、
まだ議論が分かれている状態で、ハッキリとは定まっていません(一番有名なのが、「地上100km案」です)。
ちなみに、宇宙条約のような、「宇宙」に関する条約は、これ以外にもまだまだ存在し、
宇宙飛行士の救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体の返還に関する協定(通称;宇宙救助返還協定)
宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約(通称;宇宙損害責任条約)
宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約(通称;宇宙物体登録条約)
月その他の天体における国家活動を律する協定(通称;月協定)
があります。
これらは「宇宙条約」が基礎となって作られた条約で、全部まとめて「宇宙法」と呼ばれています。
宇宙空間で行われる活動は全て、この宇宙法に則って行われているのです。
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