潮が満ちたとき、地球の反対側でも潮が満ちる理由
海水面の高さが高くなる事を「潮が満ちる」と言い、その高さが最高になる事を、「満潮(まんちょう)」と言います。
逆に、海水面の高さが低くなる事を「潮が引く」と言い、その高さが最低になる事を「干潮(かんちょう)」と言います。
さて、この現象は一般によく知られていますが、潮が満ちたとき、実は地球のほぼ反対側でも、同じように潮が満ちているのです。
これは、一体何故でしょう?
そもそも、この「潮が満ちる」現象は、どのような原理で起こるのでしょうか?
周知の通り、地球には月と言う衛星があります。
この月は地球の周りをグルグルと回っている(公転している)わけですが…。
実は、その回る軌道(公転軌道)は、よく本の図などで見るような、完全な円形ではありません。
少しつぶれ、卵のような楕円形をしています。
そして、地球はこの楕円形のど真ん中から、少しずれた位置にあります。
その為、地球と月との距離は、時々刻々と変わっています。
また、月にも、地球と同じように引力があります。
その引力は当然地球にも作用し、地球上の海水にも作用します。
そして、月と地球の距離が近付くにつれ、月が地球の海水を引っ張る力が強くなり、徐々に潮が満ちていく、と言うわけです。
しかし、これでは地球の反対側で同時に潮が満ちる理由が説明できません。
この理由を説明するためには、ある常識をぶち壊さなければなりません。
実を言うと、厳密には、「月は地球の周りを回っていない」のです。
では何の周りを回っているかと言いますと、「地球と月との重心」を中心に回っているのです。
重心とは、重さの中心…早い話が、バランスの取れる点です。
例えば、ヤジロベエ。
今更説明するまでも無く、ヤジロベエは、中心の人形に細長い棒をつけ、その棒の両端に重りが付いたおもちゃです。
そして、その真ん中の人形を指の先に乗せると、左右のバランスが釣り合い、少しぐらい揺れても倒れません。
それは、この人形の部分が、両端の重りの重心だからです(実際には人形や棒の重さももちろん含まれます)。
この時、例えば右の重りを重くすると、この重心は少し右にずれます。
さらに右の重りを重くすると、さらに重心が右にずれます。
そしてどんどん重くしてくと、ついにはほとんど右の重りの位置に、重心が来てしまいます。
これが、地球と月の関係です。
つまり、地球から月まで届く長い棒を、地球と月の地面に突き刺し、ヤジロベエの要領でバランスを取ろうとすると、指の位置は、ほぼ地球の中心部分にやってくるのです。
実際にはわずかに重心は地球の中心からずれているのですが、一見しただけでは月が地球の周りを回っているように見えます。
さて、では話を元に戻しましょう。
何故、地球の反対側で同時に潮が満ちるのでしょうか?
「月は、地球の中心からわずかにずれた重心を中心に地球の周りを公転している」、と言う事は、言い換えればこうなります。
「地球は、地球の中心からわずかにずれた重心を中心に月の周りを公転している」、のです。
すると、月から見た地球の反対側は、地球の引力よりも地球から宇宙へ飛び出そうとする遠心力の方が、強くなります。
その為、海水は遠心力により宇宙へ飛び出そうとして上昇。
結果、海水面が高くなり、「潮が満ちる」わけです。
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