水をかけると燃え始める!?
火は、水で消える…。
これは常識ですが、世の中には例外がつき物。
この世の物質の中には、「水をかける事で燃え始める」と言う物質があるのです。
その物質の名前は、「ナトリウム」や「カリウム」などです。
これらの物質は、「アルカリ金属元素」と呼ばれ、元素の周期表(元素の一覧表みたいな物)の、一番左に書かれている物です。
その中でも激しく燃えるのが、ナトリウムやカリウムなのです。
水は、水素と酸素からできています。そして、「燃焼」とは、物質が酸素と激しく結びつく(化合する)事です。
ではナトリウムやカリウムは、水の中の酸素と反応するのかと言うと、そういうわけではありません。
「水は、水素と酸素からできている」と言いましたが、化学的には、「水酸化物イオンと水素イオンからできている」と言います。
水酸化物イオンとは、水素の原子と酸素の原子が1つずつくっ付いたもの。
水素イオンとは、水素の原子1つから構成されたものです。
ナトリウムやカリウムは、このうちの水酸化物イオンと反応するのです。
水から水酸化物イオンを取ると、水素イオンが残ります。
すると、水素イオンは、2つ1組になり、水素になります。水素は、非常に燃えやすい物質です。
物が燃えるために必要なものは、「燃える物」「酸素」そして「熱」です。
酸素は空気中にありますし、燃えるものは水素です。では、熱は?
実は、ナトリウムやカリウムが水酸化物イオンと反応すると、ものすごい熱が出ます。
この熱を使って、水素は酸素と化合…つまり、燃焼を始めるのです。
中学で習う、「化学反応式」を使って書くと、ナトリウム(Na)の場合、
2Na + 2HO → 2NaOH + H
と、なります(カリウムの場合は、「Na」を「K」に変えればいいだけです)。
アルカリ金属元素にはこの他、リチウム(Li)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)があります(カッコの中は、元素記号。この記号で、物質を表す)。
これらも、水と反応して水素を発生させるのですが、熱をあまり出さないので、燃焼はしません。
しかし、逆に言えば、熱さえあえば、燃え出します。
ですので、アルカリ金属元素が燃えている時、水をかけると、アルカリ金属元素が水と反応して、水素が発生。
最初に燃えていた、と言うことは、熱がある、と言う事ですので、この水素も燃え始めてしまいます。
非常に危険ですので、アルカリ金属元素が燃えていたら、水をかけてはいけません。
消す場合には、砂をかけるなどして、空気を遮断するのが、良い方法です。
なお、食塩は「塩化ナトリウム」と言って、ナトリウムが含まれていますが、水に入れても燃えることはありません。
これは、食塩の中のナトリウムが、「ナトリウムイオン」と言う物になっているからです。
ナトリウムは、「ナトリウム」の状態だと不安定で、水と反応して安定した状態(NaOH)になろうとしますが、
「ナトリウムイオン」の状態だと、安定しているため、水と反応しようとしないのです。
ですので、安心して、食塩を水に溶かしてください。
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