電子レンジに金属を入れてはいけない理由
「電子レンジに金属を入れてはいけない」と言うのは、常識です。
では、何故いけないのでしょうか?
それにはまず、電子レンジの仕組みを知る必要があります。
電子レンジのスイッチを押すと、内部を「マイクロ波」と呼ばれる電磁波が飛び回ります。
このマイクロ波が、食品中の水分(水の分子)を揺さぶり、食品を温めるのです(詳しい説明は、「電子レンジはなんで物を温められる?」を参照してください)。
さて、ここからが本題。
電子レンジに金属を入れてはいけない理由は、金属と電磁波に、次の2つの性質があるためです。
1つ目が「金属に電磁波が当たると、電磁波が反射する」と言う性質。
2つ目が「金属に電磁波が当たると、金属に電気が流れる」と言う性質です。
では、何故この2つの性質があると、電子レンジに金属を入れられないのでしょうか?
まず1つ目。
電子レンジ内を飛ぶマイクロ波は、「マグネトロン」と言う装置から発射されます。
通常ならば、マイクロ波は電子レンジ内の食品にほとんど吸収されます。
しかし、内部に金属があると、そこであらぬ方向にマイクロ波が跳ね返り、場合によってはマグネトロンに戻っていってしまいます。
すると、電磁波を浴びたマグネトロンが劣化し、電子レンジの故障の原因になるので、金属を入れてはいけないのです。
もちろん、食品を入れていても、たまたま「マグネトロンに戻っていくマイクロ波」が出てくる事もありますが、
そうなっても、「マグネトロンにあまり影響が出ない」ような構造になっているので、大丈夫なのだそうです。
こういう理由ですので、食品を入れずに電子レンジを動かすのも、危険です。
2つ目の「金属に電気が流れる」と言う性質。
金属に電気が流れ、その電圧が上がっていくと、電気が金属から飛び出してしまいます。
つまり、「放電」するわけです。
放電した電気が電子レンジの壁に当たれば、そこから電子レンジが故障する事もあります。
それ以前に、放電が起こる事自体、非常に危険なので、電子レンジに金属を入れてはいけないのです。
丸めたアルミホイルなどは、もってのほかです。
くしゃくしゃにしたアルミホイルには、突起部分がたくさんあります。
電気は、このような突起部分に集まりやすいと言う性質があるため、突起部分に電気が集まり、電圧が上昇。
そしてそこから放電が次々と起こってしまうのです。
まとめると、「電子レンジに金属を入れると、
1;電磁波が跳ね返され、電磁波を発生させる装置を破壊してしまう
2;金属内に電気が流れ、放電するので非常に危険
なので、電子レンジに金属を入れてはいけない」と言う事です。
では、ここからはちょっと踏み込んだ話を…。
先ほど「金属に電磁波を当てると電気が流れる」と述べましたが、何故電気が流れるのでしょうか?
そもそも、「電気」とはなんでしょうか。
この世の全ての物質は原子から出来ており、その原子はさらに原子核と電子と言うものから出来ています。
この電子が、物質内を移動すると、「電気が流れた」と言うのです。つまり電気とは、「電子の流れ」の事なのです。
金属の内部には、「自由電子」と言って、非常に身軽に動ける電子がたくさん含まれています。
また、電磁波はエネルギーを持っています。
電磁波が金属に当たると、自由電子が電磁波からエネルギーを受け取ります。
すると、受け取ったエネルギーを使い、自由電子が金属内部を四方八方に移動します。
つまり「電気が流れる」のです。
例えて言うならば、電磁波を小石、金属を池だと思ってください。
小石を池に投げると、池の表面に波が出来ます。この波が電気なのです。
電子レンジについては、前述の「電子レンジはなんで物を温められる?」や、「電子レンジの台は何故回転する?」もご参照ください。
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