テレビの仕組み1〜ブラウン管テレビ〜
3回シリーズを予定している「テレビの仕組み」。第1回目はブラウン管のテレビです。
一般的な、「普通のテレビ」です(10年後(2015年ぐらい?)には、珍しくなっているかも知れませんが)。
テレビの奥には、「ブラウン管」と言う機械が埋め込まれています。
このブラウン管を縦に真っ二つにすると、一番手前、「画面」となる部分に、「蛍光体」と呼ばれる物が敷き詰められています。
その後ろには、細かい穴がたくさん開いた「シャドーマスク」と呼ばれる板状の物。
そのさらに後ろに「偏向コイル」があり、その後ろに「電子銃」があります。
では詳しく説明していきましょう。
テレビ局から送られてきた電波をテレビが受信すると、電子銃から、電子のビーム(電子ビーム、電子線)が発射されます。
この電子線は、「赤色を作るビーム」「青色を作るビーム」「緑色を作るビーム」の3種類。
何故かと言うと、この赤、青、緑の3色の光を使うと、全ての色を表現する事が出来るからです(この3色の事を、「光の三原色」と言います)。
例えば、赤と青を光らせれば紫、青と緑なら水色、緑と赤なら黄色、そして全てを光らせると、白になります。
さて、電子銃から発射された電子線は、すぐ目の前の偏向コイルへ飛び込みます。
「偏向」とは、電子の向き(電子線の向き)を変える事。
電子線は、何もしないと真っ直ぐ飛んでいきますが、近くで電気を流したり、磁石を近付けたりすると、向きが変わります。
偏向コイルは、磁力によって、この電子線の向きを上下左右に変えます。
向きを変えられた電子線は、そのまま真っ直ぐ飛び、シャドーマスクへ向かいます。
シャドーマスクには、直径0.20〜0.25ミリメートルの穴が規則正しく並んでいて、
電子の向き(角度)を調節する役目を担っています(どうやって角度を変えているのかがわかりません。どなたか知っていたら、教えてください)。
これにより、赤の電子線は赤の蛍光体、青の電子線は青の蛍光体、緑の電子線は緑の蛍光体に、それぞれ激突します。
「蛍光体」とは、電子線やX線、放射線、光などが当たると、光る性質のある物体の事。
明るいところに置いておいて、暗いところに持って行くと青白く光る物がありますが、あれが蛍光体(蛍光塗料)です。
テレビの画面には直径1ミリメートル以下の蛍光体が、約50万個も並んでいて、これらが光ったり消えたりしています。
すると、人の目は、そこに画像を捉える、と言うわけです。
また、このブラウン管の中は、電子が通りやすいよう、真空状態にしてあります。
この真空状態の中を、高速で飛ぶ電子の事を、「電子線」と呼ぶのです。
そして、電子はマイナスの電気(陰の電気)を帯びているので、電子銃を「陰極」、電子線を「陰極線」とも呼びます。
では、テレビの映像は、画面上でどのように変化しているのでしょうか。
「パラパラ漫画」と言うのを知っていると思います。
一枚ごとに少しずつ違う絵を描き、それを勢い良くパラパラめくると、絵が動いて見える、と言う物です。
テレビの絵が動く原理もこれと全く一緒で、テレビは、1秒間に30枚の絵を映し出しています。
パラパラ漫画はなんとなくギクシャクしていますが、テレビの場合はものすごく速いので、人間の目には違和感無く映るのです。
そしてテレビの画面は、よく見ると、横に細い帯が並んでいます。
これを「走査線」と言い、電子線は、走査線上をたどりながら、画面を光らせていくのです(走査線は、525本も並んでいます)。
さらに、自然な動きにするために、1枚の画像を2回に分けて映し出します。
最初の60分の1秒で、525本の走査線を1本おきに光らせ、次の60分の1秒で、残りを光らせます。
このように交互に走査線を光らせる事を、「飛び越し走査(インターレス)」と呼んでいます。
ちなみに、今回説明した方法(ブラウン管、電子線、走査)を用いて、世界で初めて物を映したのは、日本人の高柳健次郎さん。
1926年12月25日に、カタカナの「イ」を映し出しました。
これは本来、特許クラスの発明で、日本がテレビの特許を取得するはずでしたが、この高柳さんが特許を取らなかったため、日本はアメリカに特許を取られる、と言う悲劇に見舞われてしまいました。
ちなみに、テレビ局でテレビカメラに入った光は、カメラの中で赤、青、緑に分けられ、電気信号に変わります。
そして、「テレビのどの位置で表示するか」を表す信号に変えられ、同時に「画面の明るさ」を表す信号も作られます。
さらに「画像同期ミキサー」と言う機械で、色の信号と、明るさの信号を、テレビ画面上であわせる働きを持つ、「同期信号」が作られ、音声の信号と一緒に、各家庭へと送られていくのです。
戻る