やや余談。ブラックホールとは?
ブラックホールは、ものすごく重い星が死を迎え、自分の重さ(自重、と言う)を支えきれなくなった時に、発生します。
自重を支えきれなくなった星(を形作っていた物質)は、中心めがけて一気に落ちます。
すると、ものすごく小さいのに、ものすごく重たい星が生まれるのです。
そして、このブラックホールの周りでは、先ほどの例えの中の、100人が1点に集中した場面と、同じ事が起こります。
つまり、ブラックホールの周りでは、空間がゆがむのです。
「トランポリンが破けた」となれば、そのゆがみは尋常ではありません。
もし誤って足を踏み入れてしまえば、一巻の終わり。
滑って地面へと叩きつけられてしまい、2度と這い上がれなくなります。
この「ここまで来たら、一巻の終わり」と言う範囲の事を、「シュバルツシルト半径」と言い、
言ってみれば、ここが「ブラックホールの表面」です。
ただし、「半径」と言えど、普通の円の半径とはわけが違います。
円の半径は、中心から円のフチまでの長さです。
円はちゃんと「○」と線が引いてありますから、どこからどこまでが円か、すぐにわかります。
しかし、ブラックホールの場合は、そんな生易しい物ではありません。
身近な例で言えば、磁石を思い浮かべていただければ良いでしょう。
ものすごい強力な磁石を、鉄に近づけて行きます。
初めは離れているので、鉄は全く動きません。
しかし、徐々に近づけていくと、磁力に引かれ、鉄は磁石に少しずつ近付いていきます。
さらに磁石が近付くと、鉄が磁石に近付くスピードは上がり、限界まで行くと、一瞬で磁石にくっ付いてしまいます。
外から見れば、どこが限界か、鉄の動きからなんとなくわかります。
しかし、鉄にとっては、初めから磁石に引かれているため、どこから抜け出せなくなったのか、わかりません。
わかるのは、磁石に引かれていた事と、いつの間にか磁石にくっ付き、取れなくなった事だけ、です。
この時の「限界」が、「シュバルツシルト半径」なのです。
そして、これの内側に入ってしまうと、あとは永遠に出る事が出来なくなってしまいます。
ちなみに、太陽と同じ質量のブラックホールですと、このシュバルツシルト半径は約3kmになります。
つまり、太陽の中心から3km未満のところまで行くと、2度と帰れなるのです。
が、太陽の半径は100万km以上。落ちる前に、焼け死ぬのがオチです(ダジャレではない)。
ですので、太陽が半径3km未満にまで縮まれば、十分ブラックホールとして成り立つのです。
ただ、普通のブラックホールは質量が太陽の10倍前後。
シュバルツシルト半径は、約30kmになります。
ちなみに、地球の重さは普通のブラックホールの330万分の1。
つまり、普通のブラックホールは、半径30kmのところに、地球が330万個も詰まっていることになるのです。
それと、ブラックホールと言うと、掃除機のように「何でも吸い込む」と言うイメージがありますが、実際はそんなことありません。
もちろん、このシュバルツシルト半径に入れば、何人たりとも脱出できないのですが、
このシュバルツシルト半径外ならば、どんなに近づいても(理論上は)脱出可能なのです。
もちろん、あまり近づきすぎると、光以外は脱出できない、と言うような状況になってしまいますが。
それと、もし仮に太陽がブラックホールになった場合。
地球の軌道が劇的に変わるかと思えば、実はそうではありません。
何故なら、太陽がブラックホールになっても、太陽の引力は変わらないし、3kmまで近づかなければ絶対に安全だからです。
ちなみに、この地球の「シュバルツシルト半径」は、99分の1ミリメートル。
つまり、地球が99分の1ミリメートルまで縮むとブラックホールになり、
同時に、地球の中心から99分の1ミリメートルまで近付くと、もう抜け出せなくなる、と言う事です。
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