空間がゆがむと、何が起こるのか?
単刀直入に結論から述べますと、特殊相対性理論同様、「時間が伸びる」=「未来へ行ける」と言う事です。
詳しくは、これからゆっくり話しましょう。
まずは、空間のゆがみからです。
「3次元のゆがみ」を考えることは、かなり難しいことですから、とりあえず、「2次元のゆがみ」を考えて見ましょう。
2次元とは、早い話が紙の上。平らな平面の上の事です。
3次元の世界では、「上下、左右、前後」と3つの軸がありますが、
2次元の世界では、「上下、左右」「上下、前後」「前後、左右」のように、2つの軸しかありません。
一番考えるのが楽な、「前後、左右」で考えてみましょう。
まずこの前後左右しかない2次元の世界に、直線を引いてみてください。
引ける直線は、真っ直ぐないわゆる「線」。何の変哲もありません。
問題は、空間がゆがんだ時です。
「ゆがんだ空間での直線」と言うのは、傍目には「曲線」に見えます。
が、見えるだけで、曲線ではないのです。
そもそも、「直線」の定義は、
「2点間を結ぶ、最短距離」
です(正確には、これは「線分」の定義なのですが、ここではわかりやすいように、「線分」を「直線」と言っています)。
わかりやすく言うと、
「家から駅までの最短ルート」
が直線なのです。
間にある家や人を全てなぎ倒し、真っ直ぐ歩き続ける。これが、最短ルートであり、「直線」なのです。
では、ゆがんだ空間ではどうなるでしょうか?
ゆがんだ空間では、そもそも空間自体がゆがんでますから、直線の定義はそのままでも、形は変わってきてしまいます。
言葉では説明しにくいので、紙とペンを用意してください。
紙に、適当な直線を引いてください。 そして、その紙をグシャッとゆがめます。
その時そこにある線が、「ゆがんだ空間での直線」になるのです。
見る角度によっては、それは明らかに「曲線」ですが、その「紙上」と言う「空間」の中では、それは立派な「直線」なのです。
が、空間自体がゆがんでいるとは言え、本来ならば最短距離である「直線」が、「曲線」に変わるわけですから、2点間の長さは、長くなってしまいます。
さて、ここで、だいぶ上の方でやった光速度不変の原理が再登場します。
光の速さは、秒速30万km。これは、何があろうと、真空中である以上、絶対に光は秒速30万kmで進みます。
これは、空間がゆがめられても同じ事。
そして、2点間の距離は、ゆがんでいない時よりも伸びているので、
光が2点間を移動する時間は、空間がゆがんでいない時に比べ、ゆがんでいる時の方が、やや長くなるのです。
光が2点間を移動する時間が長くなると、どうなってしまうのでしょうか?
実は、「光の速度が絶対ならば、何が起こるのか?」と全く同じ事が起こります。
つまり、空間のゆがみが激しいところの方が、同じ2点間を移動する時間が長くなるので、その分、時間が遅くなるのです。
この事は、こんな実験で実証されています。
そもそも、今回の話は「重い物の周りでは、空間が歪む!」から来ました。
空間がゆがむと、時間が遅くなる。つまり、重い物の周りでは、空間がゆがみ、時計の進み方が遅くなるのです。
いくつかの実験で実証されていますが、ここでは2つ、挙げましょう。
まず、地球から金星に向けてレーダーを発し、反射してきたレーダーを捕らえる、と言う実験。
この時、地球と金星の間に、太陽がある事が条件です(つまり、地球から見て、金星が、太陽の向こう側にギリギリ顔を出している事が条件)。
もし、重い物の周りでも空間がゆがまず、光の移動距離が変わらないのならば、
地球から出たレーダー(電波)は、真っ直ぐ金星に進み、また真っ直ぐ戻ってくるはずです。
光の速さと、金星‐地球間の距離はわかっていますから、レーダーが戻って来るまでの時間は、計算で求める事が出来ます。
ところが、実際にやってみると、計算結果よりも長い時間かかって、レーダーは戻ってきます。
これはつまり、重い物=太陽によって、空間がゆがめられている事の証明につながるのです。
しかも、その遅れる時間は、一般相対性理論の計算どおりなのです。
もちろん、レーザーが戻って来るのが遅れた理由が他にある可能性もありますが、少なくとも、一般相対性理論の否定は出来ない、と言う事です。
もう1つの実験は、地球上で行われた実験。
1959年にハーバード大学で行われた実験で、
高さ22.5メートルの塔の一番上と、一番下で、ものすごく厳密な時間測定を行いました。
その結果、ものすごく短い時間ではありますが、わずかに、塔の頂上の方が、時間が早く進んだのです。
そして、もちろんその結果は、一般相対性理論の計算どおりでした。
また、この時、「時間が早く進んだ」と言う事は、
「塔の頂上にいた人は、ほんのわずかながら、地上の人よりも早く時を進む事が出来た」
つまり、「未来に行けた」と言う事が出来るのです。
ちなみにこの「未来に行き具合」は、もうわかると思いますが、重い物の近くほど早く未来に行けて、離れれば離れるほど遅くなります。
次を読む
前を読む
目次に戻る