顔に鳥肌が立たない理由
寒いときや感動したとき、怖いときなどに鳥肌が立ちます。
鳥肌が立つと、文字通り腕や脚などの毛が逆立ちます。
しかし、良く思い出してみると、顔にはあまり鳥肌が立ちません。何故でしょう?
その前にまず、そもそも「鳥肌が立つ」とはどう言うな現象なのでしょうか?
動物の体毛の根元には、「立毛筋(りつもうきん)」と言う筋肉があります。
これは、その名の通り体毛を立たせる筋肉。
寒いときや感動したとき、怖いときなどに交感神経がこの筋肉を刺激。
するとこの筋肉が収縮し、体毛を立たせます。
これが、鳥肌と言う現象。
こんなことしてなんになるかと言うと、実は人間にとっては何の意味もありません。
ヒトがまだサルだった時代。この頃には、ちゃんと鳥肌が機能していました。
立毛筋が収縮すると、今まで皮膚の上にペタッと倒れていた体毛が浮き上がります。
これにより、皮膚の周りに空間が出来、空気が入ります。
すると、この空気により保温性が高まり、寒さをしのげる、と言うわけです(ただ、資料によっては立毛筋により毛穴が塞がれ、寒さが防げる、とも書かれています)。
サルの時にはこれが機能していたのですが、体毛の薄くなったヒトでは、このような期待できない、と言うわけです。
怖いときに鳥肌が立つのもサルの時の名残。
動物の世界では「大きい=強い」と言う心理的構図が成り立っています(もちろん、この構図はヒトにも残っています)。
つまり、逆に言えば相手に体を大きく見せることが出来れば、戦わずして相手を負かすことが出来るのです。
そこで、怖い=敵に出会った時は体毛を立たせ、体を大きくさせ、相手を威嚇するわけです。
また、感動したとき鳥肌が立つのは、言わば「誤作動」。
鳥肌を立たせる役目を担っているのは、交感神経という神経。
これは、感涙を流したり、怒らせたりする役目も担っている神経です。
感動するとこの交感神経が反応。
ついつい、間違えて立毛筋を収縮させてしまうのです。
感動するとゾクッと来るのは、「立毛筋が収縮した=寒い」と勝手に脳が勘違い。
そのため、感動するとゾクッと感じるのです(怖いときゾクッと来るのも、同じ理由)。
さて、では冒頭の疑問です。
いったい何故、顔には鳥肌が立たないのでしょうか?
実は、顔にもわずかながら鳥肌は立っているはずなのです。
しかし、顔は体毛が退化していて、その影響で立毛筋も退化。
さらに顔は血行が良いため寒さにも強い。
そんな理由から、鳥肌が立っても目立たないのです。
つまり、顔には鳥肌が立っているのに立っていないように見えている、と言うわけなのです。
なお、今回登場した「交感神経」。
資料によってはここが「自律神経」と書かれていますが、「交感神経」と言うのは「自律神経(厳密には自律神経系)」を構成する神経の1つ。
ですので、どちらも間違いではありません。
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