偶数と自然数。多いのは…?
「自然数」とは、日常的に自然に使う数の事。つまり、「1、2、3、4、5、6、…」が、自然数。
「偶数」とは、そのうちの、2の倍数。つまり、「2、4、6、8、10、12、…」が偶数。
この2つ、「どっちが多い?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょうか?
自然数は1、2、3、…。偶数は2、4、6、…。普通に考えれば、多いのは自然数のような気がしますが…。
実は、なんとも不思議な事に、「どちらも同じ」なのです。少なくとも、現代数学では、「同じ」と考えています。
では、解説していきましょう。
例えば、ここに10個のリンゴが入った箱があるとします。
ここから、リンゴを幾つか取り出した時、箱の中には、まだリンゴが残っていました。
この時、取り出したリンゴは、当然10個より少ないです。
この考え方をすると、確かに自然数より偶数の方が少なくなります。
しかし、現代数学では、別の方法を用いて、自然数と偶数を数えるのです。
例えば、ここにα個のリンゴが入った箱Aと、β個のリンゴが入った箱Bがあるとします。
箱Aと箱Bから、同時に1つずつリンゴを取り出していき、どちらか片方のリンゴがなくなったところで、取り出すのをやめます。
この時、箱Aのリンゴがなくなった時、まだ箱Bにリンゴが残っていれば、箱Bのリンゴの方が多い、と結論付ける事ができますし、
どちらも余らなかった場合は、どちらも同じ数、と結論付ける事が出来ます。
では、この考え方を、自然数と偶数に当てはめてみましょう。
自然数と偶数を1つずつ取り出すと、「1,2」「2,4」「3,6」「4,8」「5,10」…と言う風にペアが組めます。
このようにペアを延々と組み続けると、最終的にどうなるでしょうか?
ここで忘れてならないのが、「自然数も偶数も、『無限』に存在する」と言う事。
無限に存在するのですから、どんなに組み続けても、決してなくなる事がありません。
なくならない、と言う事は言い換えれば、「どちらも余らない」と言う事。
先ほどのリンゴの例えで、「どちらも余らなかった場合は、どちらも同じ数、と結論付ける事が出来る」と説明しました。
自然数と偶数も、「どちらも余らない」のですから、このリンゴの考え方を用いれば、「どちらも同じ数」と言えるのです。
納得いかないかもしれませんが、「余らなければ同じ数」と言う当然の事実を、そのまま適用しているだけなのです。
ただ、少し遠慮して、「個数」と言う言葉の代わりに、「濃度」と言う言葉を使っているので、納得いかない方も、それで許してあげてください。
「無限」と言う、人類が永遠に追いつかない世界では、こんな不思議な現象が、ごく当たり前のように起こっているのです。
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