その昔、バターは食用ではなかった
現在トーストやホットケーキでお馴染みのバター(まぁ、中にはバターではなくマーガリンのお宅もあるでしょうけど)。
このバターはもともと、遊牧民の間の食品でした。
これがヨーロッパに伝わったのは、紀元前5世紀ごろらしいですが、
イタリアのローマ人はバターを野蛮人の食べ物だと言って嫌い、長い間食べようとはしませんでした。
それでは何に使っていたのかと言うと、有名なローマ風呂などで使う、塗り薬として使っていたらしいのです。
赤ん坊や幼児などの体を柔軟にすると言って、盛んに使われていたようです。
古代ローマの博物学者プリニウスは、ハチミツを混ぜたバターを歯に擦り付ければ、歯痛に効くと言って、使用をすすめています。
ちなみに、プリニウス(ガイウス・プリニウス・セクンドゥス)は、西暦23年から79年の人です。
バターがフランスで食べられるようになったのは6世紀ごろからで、ベルギーでは12世紀、ノルウェーでは13世紀になってから、やっと盛んに食べられるようになりました。
もっともポルトガル人は紀元前60年ごろから、ガリア人は紀元前200年ごろから、主に食用にしはじめたとも言われますので、ヨーロッパの中でも、すすんで食用にした地域もあったのでしょう。
このようにバターがヨーロッパ全体に普及したのは意外に新しく、バター作りの機械が導入されて工場生産されるようになったのは、19世紀末になってからのことなのです。
ちなみに、油脂(バターや油)を使うことが中心になっているヨーロッパ料理の中にありながら、
イタリア料理だけは油脂の中でもバターをあまり使わず、オリーブ油を使うのも、この歴史的背景からではないかと思われています。
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